ブックタイトル北斗みらい展望 Vol.62

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概要

北斗みらい展望 Vol.62

前、老衰死亡率は百人/十万人であったが、一九八〇年代以降は診断可能な疾患が増加するにつれ二十人/十万人まで下がっていましたが、最近では増加に転じており、二〇一五年には六七・九人/十万人までになっています。この背景には延命より自然な死を受け入れるような死生観の変化が大きく影響していると思います。フランスでは一九九〇年代まで胃ろうを造設し積極的に延命医療を行ってきていましたが、現在では虐待の一種としてみなされるまでになっており、胃ろうは行われていません。日本においても重度の介護状態で延命されることは避けたいと考える人が増加してきています。また高齢者の疾病は複数の臓器の慢性疾患が多く、従って治療の目的は「治すこと」を最終目的にするのではなく、地域医療構想と地域包括ケアシステム自立した生活を維持・継続し「支える」ものとなってきています。このように高齢者に対する医療・介護に求められるものが大きく変化してきていると言えます。福祉村=地域包括ケアシステムこの十勝=地方都市においても、独居や老々介護となっている高齢者が増加してきています。一昔前の多世代同居の世帯は明らかに減少してきており、最近では殆ど見られなくなっています。これらを見るだけで地域社会・地域コミュニティの崩壊を容易に知ることができます。健康寿命の延伸を図るために医療と介護の統合を行い、自立支援型のリハビリを徹底して提供することにより、新たに創造されたコミュニティの中に力強い流れを生みだす。そして新たなコミュニティ創りを、行政と手を携えながら街興し・村興しに繋げてゆくものとして展開する。まさに、医療・介護の統合、生活支援、予防、住まいを主要な行動規範としてとらえ、内実を豊富化して行かなければなりません。この活動の積み重ねの結果、十勝の文化・風土を基礎に「福祉村=地域包括ケアシステム」が創りあげられると考えています。社会医療法人北斗はこの歴史的偉業に地域の住民、医療・介護関係者、行政の方々の御支援・御指導を頂きながら、医療・介護提供者としての高い志を賭して進んでゆきます。6