ブックタイトル北斗みらい展望 Vol.62

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概要

北斗みらい展望 Vol.62

地域医療構想と地域包括ケアシステム地域完結型医療組織他方、紙面の制約にて十分な議論の展開はできませんが、二十一世紀初頭において、我々が医療・医学の実践を展開する場は、疑いもなく「医療・医学のイノベーションの時代の真只中」にあります。医療・医学活動を大胆に展開して行く私たちはこの認識から思考の軸をずらすことはできません。一般産業界においては、第四次産業革命を意識しながら業態の転換が推し進められています。その中でチーム医療を基礎にしたセンター化を大胆に推し進めて行かなければなりません。先制医療の議論がリアルに展開される時代となっているのです。「十勝の地域医療構想」に対して私たちはあくまでもR&D(研究開発)を生み出すことをミッションとする地域完結型医療組織を作り上げることをもって応えて行かなければならないと考えます。多死社会と看取り少子高齢化社会に突入し私たちは今までに経験したことのない社会の変容に遭遇しています。少子高齢化社会による社会の変容には多死社会、地域社会の崩壊など多様な態様があります。まず多死社会について俯瞰してみます。二〇一五年の人口動態は一二九万四二八人の死亡者数となり戦後最高となったことが報告されています。人口問題研究所の推計では二〇二四年に一五〇万人、二〇三〇年には百六十万人が亡くなると報告されています。現在百三十万の方々が亡くなっていますが、八十%以上は病院・施設で亡くなっています。しかし、二〇一二年の意識調査では、五十六%の方が自宅での死を望み、二十七%の方々は病院・施設での死を希望していることが示されています。この看取りの場の問題に対して私達医療・介護の提供者サイドはどう対峙して行くのか。また老衰死は高齢者で死亡の原因が特定できない死亡を自然死=老衰死として取り扱われていますが、二〇一五年に老衰で亡くなった高齢者は八万五千人に上り、前年より九千人増加しています。戦5